中国蘇州市相城区主催『陽澄湖ビジネスコンテスト』日本大会が成功裏に終了 日本初『(相城-東京)ポスドクイノベーションセンター』も併せて開設

日中商报 2024-04-17 15:53:23

2024年4月14日、日中間での新たなイノベーションやビジネス創出を目的とするビジネスコンテストが東京都江東区お台場にて開催された。このコンテストは、中国蘇州市相城区政府が主催する『15回陽澄湖ビジネスコンテスト』に加え、蘇州市政府が主催する国際ビジネスコンテスト『蘇州にて勝利、未来の創出』が合同で開催したもので、入賞者は、蘇州市で行われる二つの本大会に駒を進めることとなった。また、同会場では、日本で初めてとなる『海外(日本)ポスドクイノベーションセンター』開設の除幕式も行われ、日本と蘇州との間でのビジネス交流の深化が改めて示された。蘇州市は国際的なビジネス環境整備に力を入れていることで知られており、日系企業も多く進出する国際的な地方都市である。これまでは製造業が中心であったが、近年は、産業構造の転換を見据え、毎年7月に『蘇州国際エリート創業週間』を開催するなど、イノベーション産業に重点的な支援を行っている。


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14日の大会の開催にあたっては、冒頭、蘇州市相城区を代表して、相城区委組織部部長詹利剣氏が開催挨拶を行った。詹氏は、日本との協力関係や文化交流には深い基盤があるとして、相城区としても、日中間での交流を深められるよう、様々な施策を行っていくと強調した。


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また、日本側の受け入れ・実行組織を代表して挨拶を行った一般社団法人日本産業イノベーション研究所代表理事の渡貫諒氏も、日中間のビジネス交流や相城区との関係強化の重要性を述べた。


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この後、参加者の発表が順次行われ、合計10名が登壇した。各発表者は、与えられた8分の時間で自身のビジネスプランの内容や、想定されるマーケット、資金繰りなどを手短かつインパクトをもって審査員に示すことが求められる。そうした中、本大会の発表者は、それぞれ極めて高い水準の発表を行っており、日中間でのイノベーション産業交流の潜在能力を強く感じさせる結果となった。加えて、本大会審査員は日本語及び中国語両言語に精通しており、発表言語が日本語、中国語どちらの言語でも行えた点も、他のビジネスコンテストではあまり見受けられないユニークな点であった。


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さて、本大会の結果であるが、見事一位に輝いたのは、徐富成氏の「太陽熱温水循環型省エネ低温乾燥装置の工業化」であった。また、2位には高建群氏「廃棄物資源を利用して高分子ポリマーを製造する新技術」、3位には大津良司氏「ロボット建設機械で完全無人自動建設工事を行う」であった。3名の得点差はわずかであり、いずれも事業性や技術性、実現可能性など総合的に高く評価されたことが入賞に繋がった。


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大会主催者によれば、本大会の競争は極めて厳しく、0.5点差で順位が入れ替わるなど、観客席からも見応えのある勝負であった。なお、審査員からは、大会での質疑応答で問われた質問は、出資を受ける際にも問われるものであり、今回の大会を足がかりに、より高いレベルのビジネスプランへと発展してほしいとの激励があった。


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ビジネスコンテスト大会の影に隠れがちであったが、『海外(日本)ポスドクイノベーションセンター』の開設も、日本におけるポスドク人材(博士課程終了後の研究員)と産業界のニーズとを結びつける意欲的な取り組みであるといえる。同センターの業務は、国籍を問わず、日本や海外の研究員人材を常勤あるいは非常勤にて募集し、企業の研究開発業務を担う人材を求める相城区の企業とマッチングである。登録したポスドク研究員は、日本に滞在を続けつつ、給与や手当に加え、定期的な相談などの人材育成事業の支援を受けることができるほか、研究資金への申請などでは、中国国内のポスドク人材と同条件が適用されるという。すでに、こうした人材を求めるという人材ニーズを公開している会社は、製造業を中心に80社近くにのぼっており、企業の研究開発意欲や、日本のポスドク人材への関心の高さを示している。


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ポスドクセンターへの登録は一般社団法人日本産業イノベーション研究所が行っており、登録を希望する場合、同研究所宛にメール(info@rijii.jp)で履歴書と主要な研究業績を送付するか、専用の相談電話(0081-80-4499-4492)に日本語又は中国語にて連絡してほしいとのことである。


今回開催されたビジネスコンテストや海外(日本)ポスドクイノベーションセンターは、日本と中国のハイレベル人材の相互交流を促進するうえで、非常に興味深い取り組みであるといえる。国際的に人材獲得競争が激しくなる中、こうした二国間の橋渡しを目指す取り組みに、今後とも注目していきたい。